「計算社会科学による人間・社会のわかり方」(笹原和俊氏・名古屋大学)
【日時】2020年2月21日(金) 15:00~17:00
【場所】関西学院大学梅田キャンパス 1405室
【発表者】笹原和俊氏(名古屋大学大学院情報学研究科、JSTさきがけ)
【概要】計算社会科学 (Computational Social Science)という新しい学際科学が誕生し、注目されている。その背景として、ウェブのソーシャル化やIoTの登場により人間行動が電子化されるようになったことや、ビッグデータを扱う数理・情報技術が発達したことがある。さらに、複雑化社会の新しい理解の仕方が求められていることもあげられる。本セミナーでは、計算社会科学の誕生経緯、アプローチ、最新動向を紹介した後、「分断」をテーマとする研究を紹介する。まず、フェイクニュースの温床となるエコーチェンバーに関する計算モデルについてで、人間の認知特性とソーシャルメディアの相互作用から意見の分極や社会的分断が生じることを示す。次に、食およびLGBTに関するソーシャルメディア分析で、コミュニティごとに特徴的な価値観や道徳観を持つことを示す。最後に、分断を緩和し、集合知を醸成するための技術的試み(Polyphony)について紹介する。
セミナーは,無事盛会にて終了いたしました.笹原先生およびご参加下さった皆様,ありがとうございました.